ワールド系投資会社がバッグのヒロフの全株式を取得

ワールドと日本政策投資銀行が運営する投資会社インベスメントデザイン(福本太郎社長)は、投資第2号に日本のバッグブランド「ヒロフ(HIROFU)」を運営するヒロフを選び、3月1日付で同社の株式を100%取得した。ワールド子会社でバッグを販売するヒロコハヤシ社長の佐々木佳子氏が社長に就任。創業社長の林武勝氏は代表権のない会長に退く。

ヒロフは1977年に創業し、バッグを中心にシューズや革小物を展開する。日本で企画したデザインを、ヨーロッパで調達した素材を用いてイタリアの工場を中心に生産。“シンプル”“ミニマル”“コンテンポラリー”をコンセプトに、時代やトレンドに左右されない独自の普遍的なスタイルを提案している。顧客は親子や孫の3世代で使用する根強いファンが多いという。バッグの中心価格帯は7万〜8万円。全国百貨店を中心に50店を構え、売り上げ規模は30億〜40億円に達する。社員は販売員を含めて170人。

今後、ヒロフはワールドのプラットホームを活用。手作業で行ってきた業務をシステム化し、MDや店舗売り上げなどの解析ツールを導入するなど業務効率化を狙う。これまでECを開設せず、宣伝広告などのプロモーションを一切かけてこなかったことから、新しい顧客との接点を求めて新戦略を検討していくという。

福本太郎インベストメントデザイン社長は、「ヒロフ」のブランド価値を高く評価する。「一代で築いてきた確立された日本の高級革ブランドだ。海外の有名なラグジュアリーブランドの商品も生産する複数のイタリアの一流の工場と強固な信頼関係を持つ。また、革の滑らかさ、こば塗り、縫製などへもこだわり、革は直接タンナーと取り引きするなど、“いいものをお客さまに提供する”という信念を持っていて、商品の美しさはピカイチだ。経営は安定的で堅実、利益もしっかり出ている。事業拡大よりも、『ヒロフ』のブランドを堅持することをトッププライオリティーにしたい。 ワールドの事業運営ノウハウを活用しながら“100年ブランド”を目指し、一緒に成長していきたい」。

インベスメントデザインは17年7月にワールドと日本政策投資銀行が共同で立ち上げた日本初のファッション専門ファンド。投資第1号にはセレクトショップのザ シークレットクロゼット(The SECRETCLOSET)とウィメンズブランド「シクラス(CYCLAS)」を手掛けるユア サンクチュアリー。同社は増資を受け、成長資金を確保し、ワールドのプラットホームを通してECサイトを一新。先ごろ2019-20年秋冬シーズンのパリ・ファッション・ウイークでは、公式スケジュールで初のファッションショーを披露した。

Author: admin

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