セリーヌ2024年冬コレクション、60年代とセリーヌの黄金時代への賛歌

「ラ コレクション ド ラルク ド トリオンフ」はセリーヌ ボーテの誕生も記念

セリーヌのトリオンフロゴは同ブランドを象徴する最も重要なモチーフの一つで、その歴史はブランド創設当初に遡ります。

セリーヌ2024年冬コレクションの様子

おそらく皆さんも以前にこのエピソードを聞いたことがあるでしょう。1971年のことです。創設者セリーヌ・ヴィピアナさんが凱旋門近くで車が故障し、一時立ち往生しました。するとそこにあった凱旋門を囲む連環したフェンスに目が止まり、ひらめきを得たのです。

すぐさまそのデザインをアレンジし、これがブランドのモノグラムになったのです。

約50年が経った今、エディ・スリマンがセリーヌのクリエイティブを手掛けるようになり、同ブランドに現代的でモダンなアプローチを取り入れつつ、トリオンフという歴史的に重要なモチーフを甦らせました。このエンブレムは再びセリーヌを象徴するものとなり、シーズンを重ねるごとに頻繁に登場するようになりました。

2024年冬「ラ コレクション ド ラルク ド トリオンフ」

2024年冬、スリマンは最新コレクション「ラ コレクション ド ラルク ド トリオンフ」で、凱旋門にインスピレーションを得ています。

「ラ コレクション ド ラルク ド トリオンフ」を見る

このコレクション名には深い意味があります。1960年代、セリーヌの黄金時代への着想を得ているのです。手刺繍のような上質な生地や、ワンピース、スカート、セットアップなどのモッズスタイルを取り入れ、当時の面影を取り込んでいます。フェルト帽はその時代の空気をおびており、フェイクファー(セリーヌは本毛皮の使用を厳しく禁止)は一段と高級感を醸し出しています。

2024年冬のバッグ

話は新作に移りますが、今シーズンは定番のトリオンフをベースに新しいインターフリテーションが登場しました。秋も継続して人気が見込まれるでしょう。なめらかなカーフスキンやパテントレザーを使用した、トリオンフのボクシーなニューシェイプが目を引きます。レディライクでハンドルの付いたフラップ「ティーン ニーノ」は、そのロゴのインパクトが新鮮です。一方の「ティーン ガーランス」は大ぶりのスクエアシェイプと長めのストラップがキャッチーです。いずれもレディトゥウェアとの相性は抜群です。

セリーヌ ボーテの誕生

新しい試みが他にもあります。コスメティック「セリーヌ ボーテ」がついにローンチされます。ランジェリーラインの再始動に続いて、総合ブランドへと進化していく姿勢がうかがえます。

60年代の時代へのオマージュとブランドの礎であるトリオンフへの回帰。そして新たなカテゴリーへの挑戦。セリーヌは過去への敬意を払いつつ、未来への大きな一歩を踏み出しているのです。

Author: admin

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です