ロバートの秋山竜次扮するヨウコ・フチガミは3月25日、宝島社から初のオフィシャルブック「YOKO FUCHIGAMI IGIRISU 世界のYOKO OFFICIAL BOOK」を発売した。「♯BLACK」(1500円)と「♯RED」(900円)の2種類で、それぞれヨウコ・フチガミが過去と未来について語ったインタビューが読める。さらにブラックには「ヨウコ フチガミ イギリス(YOKO FUCHIGAMI IGIRISU)」の2WAYショルダーバッグとヘアバンドが、レッドには同ブランドのポーチとステッカーが付録としてついている。27日には、渋谷ツタヤで出版記念イベントを開催。駆けつけたファンと一緒に写真撮影、サイン会を行った。女性ファンの一人は、「ヨウコさんにはいつも元気をもらっている。この機会を逃したら一生後悔すると思い、バイトの時間を遅らせてまで参加した」と話し、家族や親子での参加者もいた。フチガミは一人一人に声を掛け、ファンからの質問には持ち前のファッション論で応えた。イベント終了後の本人を直撃。ヨウコ・フチガミの考えるファッションについて聞いた。
最近は服を染めることに関してものすごく突き詰めるようになりましたね。元々、自分の発するもので染めたいというのがあったんだけど、いかに塗料を使わないかというのが大事で、飛び散ったカレーを生かした「コボシ」というブランドと、汗染みや黄ばみを生かした「キバーミー」という別ブランドを立ち上げたんです。あとは最近「ブンリ フチガミ」というブランドに力を入れていて、それは国道沿いだとか、中央分離帯に落ちている軍手だとかよくわからないTシャツだとかをきちんと回収して服にしています。それもまた国道沿いで、排気ガスで染める。そういった自然の現象で色を付けるということにスポットを当てています。
う~ん…、アメフト選手とか。やっぱり動きの中でできた破れだとか汚れだとか、試合終わりが一番おしゃれになると思います。アスリートが一番おしゃれなのかも知れませんね。サッカー選手が試合終わりにユニフォームを交換するのも自分のデザインしたものと相手がデザインしたものを交換する、デザイナーの名刺交換みたいなことですよね。「僕のデザインはどうだい?」「じゃああなたのデザインも見せてよ」というように。
やっぱり林家ぺーさんですね。あの色は世界一のペアルッカーです。何があっても変えない。何があってもあの色。やっぱりその時の感情でやっているものではないですよね。だからもう皮膚ですね。皮膚のようなモノが一番オシャレですから。本当言うと、服を脱いで全体がピンクだったらベストですけど。本当はピンクというモノは身に着けるモノではないんですよ。14世紀にはピンクは卑猥なものだったんです。それを全身にまとっているというのは、生殖器だったらモザイクが必要なぐらいのことをやっているので。神聖なる場所しかピンクであってはいけないんですね。それを全身にまとっているということは、全身をそういう風に見てほしいのかと思ってしまいます。
やっぱり青ですね。本来青というのが男の着る色と決まっているんです。それを実行しているのがトイレのマークしかなくて。唯一それを守っている集団がブルーマンなので、ブルーマンは一番おしゃれな集団です。
本来はそうね。でも戦隊ヒーローも女性はピンクに行きがちじゃないですか。だからしっかりとおしゃれしている女性は世界で一人もいないですね。
ウシワカマルタナカ。その時代のファッションをそのまま取り入れているので。豊臣秀吉が草履を温めていたように、電子レンジで温めて履くホット草履というものを作りましたし、それは豊臣秀吉とのコラボであって、時代とリンクしています。武田信玄の風林火山の旗の生地をどこからか盗んできて、服にしちゃったりもしてるので。国宝級のモノを盗んだから今は捕まっているんですけど。それぐらいの腹の括り方が尊敬できます。
時代とリンクしているという意味では、ウシワカマルタナカに刺激されたのかも知れませんが、今「ペリー」というブランドを立ち上げているんですよ。港ファッションというか、片方の靴底に船のロープを結ぶ鉄のオブジェを引っ付けてしまう。あれと靴を固定してしまうんですね。いつでも黄昏れられますよ。
その興味が散った時にはもう潔く引退しようかなと思っています。四六時中ミシンのことしか考えていませんし、自分の人生のデザインなんてのは1ミリもやっていないので、それがあるんだったら人様の為に服のデザインをするべきだと思います。だから、自分の貯蓄もないですし、家も今友達の家に住まわせてもらっています。高円寺なんですけど、ミシンの音がうるさいって大家さんと喧嘩しているので、期間限定ですけど。
ボルタリング、やってみたいです。いい模様が付きそうだし、岩と一体化してみたいなと思います。健康のためにも。